抱えていた課題

「女性が数年の子育てのためにキャリアを捨ててしまうのはもったいない」という思いがありました。女性が結婚、出産し、安心して働ける環境を提供したいと考えました。

取組とその成果

トップの「働きたい女性の力になりたい」の思いがカタチになった会社
 福岡市と北九州市の中間に位置し、両政令市のベッドタウンとして発展してきた宗像市日の里に事務所を構える「株式会社ルピナスネットワーク」。BPO業務をはじめ、東京から送られてくるPOSデータ(レジから収集される顧客の消費行動がわかるデータ)のマスターメンテナンス業務、最近では、コロナ禍の飲食店を応援する「ごちめし/さきめし/びずめし」のITを使ったサービスのサポートセンターを運営している。代表取締役の藤谷氏が銀行勤務だった頃、子育てしながら会社勤めすることの厳しさを経験し、ほかの女性に同じ経験をしてほしくないとの思いから、2018年に立ち上げた会社だ。
 「女性は、結婚、出産が関わることでキャリアが中断してしまうことがある。男性には入社したときからルートがありそのための教育を受けるが、女性には同じルートが用意されていないこともある。ずっと働き続けることに意味がある。女性にはスキルを身に付けてもらい、自信を持ってもらいたい」と藤谷氏は語る。
「お互いさまだから」が言える雰囲気づくり
 同社の特徴は、「柔軟な勤務形態」である。同じ勤務時間の社員がいないというほどであり、採用時に社長自らヒアリングを行い、社員それぞれの状況に合わせた勤務時間を認めている。また、コロナ前より在宅勤務できる環境を整えてきた。エクセルによる日毎のタスク管理により、子どもの急な体調不良などにも応じられる体制を作り、納期を厳守しながら品質管理ができるようにみんなで創意工夫している。その結果、社員は1~2歳の子育て期のママが中心になっている。
 会社として大事にするのが、「協調性(=お互いさま精神)」である。子どもの急な体調不良の際など、「困ったときはお互いさまだから」「病気早くよくなるといいね」「気にしないで」が言える雰囲気づくりが同社にはできている。そのための取組として、週に1回、会社の福利厚生でお弁当の日をつくっている。お昼を一緒に食べ、家庭や子どものことを話すことで、何かあったときに相談しやすい雰囲気をつくっている。
 
会社風景
会社風景
地域を越えモデルケースとなる働き方
 同社は、データマーケティングで地域支援にも取り組む。2019年山形県酒田市と株式会社Truedataが結んだ地域活性化に向けたパートナーシップ協定に参画し、酒田市と宗像市をリモートで繋ぎ、2名の社員を雇用している。また現在、同社のような雇用をしたいと、シングルマザーや子育て中の女性をメインとする会社が宮城県気仙沼市に設立準備中であり、地域を越えたモデルケースとなっている。
トップの思いを伺いました
 女性は結婚、出産、育児、最後には介護と次々とライフステージが変わっていきます。残念ながら仕事が継続できなくて辞めざるを得ない状況も多々あります。その時々の状況に応じて形を変え、働き続けることができることが理想です。
楽しく、活き活きと仕事ができ、自分に自信をつけることができる、そのための働き続けられる環境を築き、皆とともに歩みを進めていきたいと思っています。
 そしてしっかりとスキルを身に着け、自信をつけて、地域に貢献できる人材に育ってほしいし、そういう人材を育てることが出来たら幸せです。 
 
代表取締役 藤谷 明美氏
代表取締役 藤谷 明美氏

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